コスモスが見ごろとなりました。木々もそろそろ色付いてくるでしょう。お天気の週末には、お弁当を持ってハイキングや登山っていうのもよいですね。さて、久しぶりに長距離を歩くと数日後にひどい筋肉痛に襲われたという経験がある人も多いのではないでしょうか。そんなときにはこのツボをためしてみてはどうでしょうか。
『奧の細道押して旅する足三里 』(読売新聞九州版~ツボでいきいき~2005.04.05より)
疲労回復には、三里の灸が効くと言われる。全く動けなくなって、足三里に灸をしたら、さらに3里(約12キロ)も歩けたというのが、この言葉の由来というが、これは俗説だ。中国のツボ解説書によると、膝の皿の下方外側にあるくぼみから、三里の所にあるから、こう呼ばれるようになったらしい。ここでの一里は、手の親指の横幅にあたる。
わが国では、松尾芭蕉の紀行文「奥の細道」に、足三里の灸が出てくる。46歳の芭蕉が、江戸・深川の庵をあとにしたのは、旧暦の元禄2年(1689年)3月27日。奥羽・北陸を経て、美濃・大垣に至る約2400キロを踏破したが、「もゝ引きの破をつづり、笠の緒を付けかえて、三里に灸すゆるより松島の月」の一節を読むと、足三里の灸で、疲れを癒やして旅を続けたらしい。 足三里の灸は、本当は疲労回復に効果があるのだろうか。 自転車エルゴメーター(負荷を変更できる動かない自転車)で、ボランティアに疲労困憊の状態になってもらい、足三里を刺激した。太ももにつけたセンサーで計測したところ、ものの見事に疲労が回復することが確認できた。マッサージや指圧の刺激でも、同様な効果が得られることも分かった。疲れた足に、足三里のツボは一押しである。
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